鯛石鹸が出来るまで(TAMANOHADA)

和菓子の木型から生まれた、めでたい“鯛ソープ”の秘密。

 

明治時代半ばの1892年に創業(!)という長い歴史を持つ老舗企業でありながら、
2003年に自社ブランドの〈TAMANOHADA〉を立ち上げるなど、時代ごとに新しく、面白いモノを生み出してきた、玉の肌石鹸株式会社。

〈TAMANOHADA〉が販売しているアイテムは、縁起門でも扱う「おめでたい!」鯛の形のウェルカムソープから、ノンシリコンのヘアケアラインまで、実に様々。
洒落っ気があるだけでなく、健康や環境にも配慮しているからこそ、人気がある。
ブランドと商品の秘密、その側を、副社長の三木晴信さんに聞きました。

 

縁起門:TAMANOHADAインタビュー

 

ーー縁起門「まずはブランドの始まりについてお聞きできますか?」

三木さん「もともとは芳誠舎という名前で営業していました。
隅田川沿いのこの地域は、陸路が発達する前から、川を利用した流通に適していたので、我々のような石鹸製造をはじめ、工場全般が多い場所です。
1923年の関東大震災や戦争も経験しましたが、幸いなことに創業以来120年以上一度も移転することなく、同じところに居続けられています。
自社ブランドの〈TAMANOHADA〉が出来たのは2003年と最近なのですが、それまでは主に大手のOEMを手がけていました」

 

縁起門:TAMANOHADAインタビュー

 

ーー縁起門「ブランドをいちから立ち上げるのは大変なことだと思います。具体的なきっかけは何かあったのでしょうか?」

三木さん「そもそも石鹸は、商品としてすでに完成している、これ以上手の加え用がないものです。
そんななか、私達は原料の仕入れから行っているという強みがあります。
石鹸の元になるチップを溶かして成形するだけではなく、そのチップになる前のひとつひとつの原料を選定するところからやっているので、
細やかで自由度の高い製品作りが可能なんです」

 

縁起門:TAMANOHADAインタビュー

 

ーー縁起門「なるほどー。原料からこだわりがあるんですね。
ウェルカムソープは鯛の形をしたユニークなものですが、どのような経緯があって製品化されたのでしょうか?」

三木さん「和菓子の落雁ってあるじゃないですか? この石鹸はその落雁の木型がベースになっているんです。
取引のあったデザイナーさんが、とある木型コレクターの方と知り合いでして、紹介してもらった際に、
この落雁の木型で石鹸を作ったら面白いんじゃないかと提案されたのが最初です。
商品開発という言葉や雰囲気とは縁遠いもので、遊びの延長で試してみたら、思いのほかよく出来たという感じですね。
名前は、“おめで鯛”にしたかったのですが、すでに商標が取られていたので、“ウェルカムソープ”に落ち着きました」

 

縁起門:TAMANOHADAインタビュー

 

ーー縁起門「落雁の木型を使ったシリーズは他にもあるんですか?」

三木さん「鯛が上手くいったので考えたのですが、成功はしなかったですね。
実際、菊や亀の木型を購入して試作してみたものの、模様が細かすぎで石鹸ではニュアンスが表現しきれなかったり…。
贈り物としても長寿の時にしか使えなさそうで、鯛に比べると万能ではないので結局あきらめました」

 

縁起門:TAMANOHADAインタビュー

 

ーー縁起門「ウェルカムソープはインパクトの大きな商品ですが、〈TAMANOHADA〉はそういったものばかり作っているわけではないですよね?」

三木さん「もちろん。天然成分にこだわったものもあって、その振り幅の広さが〈TAMANOHADA〉の魅力だと思っています。
基本的に外部のデザイナーさんと組むことが多いのですが、アイデアをやりとりしている間に発展していくパターンがほとんどです。
丸い形のTAMANOHADA SOAPを作ったときは、デザイナーさんが彫刻が好きでオブジェっぽいものを作ろうという発想ありきでした。
そこから詰め合わせは卵のパッケージを模したら楽しいのでは? とかいろいろ考えて完成させました。
液体石鹸の話に変わりますが透明のボトルで売りだした先駆けも私達だと思います。
今では珍しくないかもしれませんが、2004年頃だったので大分早かったんじゃないでしょうかね」

 

縁起門:TAMANOHADAインタビュー

 

ーー縁起門「多くの石鹸メーカーやブランドがあるなかで〈TAMANOHADA〉らしさって何だとお考えですか?」

三木さん「商品として“面白いかどうか”に重きを置いている点ではないでしょうか。
ノルマやコンセプトに縛られたりすると無理やりものを作っているようになるので、それは避けたいところです。
そうなるよりは、面白いアイデアを思いついた時やパートナーが出てきた時点でスタートすればいいかなと思っています。
その分、ものにならなかった製品や失敗もいっぱいあります。
前に繊研新聞社が主催するIFFというファッションの展示会に出展した時、
高さ3メートル、幅1メートルほどの巨大な石鹸のピラー(柱)をブーススペースに9本並べたのですが、
周囲でかすかに石鹸の香りがしただけで、まったく何のことか理解されなかったですね(笑)。
ちょっとした現代美術みたいで、やってるこちら側は楽しい経験でしたが…。
まあ、でもこれからも、そんな遊び心が楽しい商品に繋がってくれればと思っています」

 

ウェルカムソープの製造工程

縁起門:TAMANOHADAインタビュー 縁起門:TAMANOHADAインタビュー 縁起門:TAMANOHADAインタビュー 縁起門:TAMANOHADAインタビュー 縁起門:TAMANOHADAインタビュー


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